アントシアンフリーで低温伸長性に優れる晩生品種
特性
● 播種後150日前後で収穫できる晩生品種。
● 草姿は立性で、草勢はやや強い。
● 花蕾は小粒、濃緑色で極ドーム形。
● 花蕾にアントシアンが発生しない。
● 低温伸長性があり、一般地、暖地の1-2月どりに適する。
適応性
一般地では8月中旬ごろ、暖地では8月中〜下旬ごろの播種で、1〜2月どりの作型に適する。
作付計画
低温伸長性があり、花蕾の耐寒性に優れるため、厳寒期の1〜2月どりが可能です。早まき栽培では、初期生育が早まることで早生化し、リーフィーや粒ムラ、花蕾の不整形などを引き起こします。また、遅まき栽培では、株が十分にできず、小玉での花蕾の緩みや偏平になるなど花蕾の品質に問題が発生します。適作型での栽培をお願いします。
畑づくりと施肥設計
ブロッコリーは多湿条件を苦手とする作物なので、適度に水もちがよく排水性のよい圃場を選んでください。排水が悪い圃場は、排水溝の設置や高畝栽培など、排水対策を実施してください。総施肥量(元肥と追肥の合計)は、10a当たり成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度が標準です。土質によって肥料の効き方と持続力が異なるため、圃場にあった施肥設計を心がけてください。栽培期間が長く厳寒期の収穫となるので、生育後半に肥効を切らさないようにすることが重要です。
播種と育苗
通風、日当たりのよい場所を選び、播種後十分灌水して発芽まで乾燥させないように管理します。苗が徒長すると病虫害にかかりやすく、定植後の活着が悪くなるなど、生育全般に悪影響を与えるため、育苗床の施肥と灌水管理に注意してください。また、定植前に十分に順化しておくと、苗が健強になり、定植後の活着がスムーズになります。
定植および定植後の管理
栽植密度は、10a当たり約4,000〜4,500本を標準とします。早まきは株ができるのでやや疎植に、遅まきは株がコンパクトになるのでやや密植栽培することが可能です。定植後は速やかに活着させ、初期生育を促すため乾燥時には灌水を心がけてください。活着後は除草目的や根張り改善のため、中耕・土寄せを行います。追肥は株の生育具合を確認しながら適宜行ってください。厳寒期の乾燥条件は、花蕾の肥大を遅延させ、花蕾色が淡くなる白け症状の原因となるので、乾燥時には灌水してください。
病害虫防除
冬どり栽培では、年によって組織内べと病の発生が大きな問題になります。「こんばんは」は組織内べと病には強い方ではないので、湿気の溜まりやすい圃場での栽培を避け、通風性を確保し、予防的な防除を徹底するよう心がけてください。
収穫
温度が高いと収穫期が早まる傾向があるので、定期的に圃場を巡回し、計画的に収穫します。また、低温期では花蕾の白け症状や病害の発生を抑えるため、できるだけ適期収穫に努めます。